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前回に引き続き、第3回の記事です。

今回はタイトルの通り、OCIでサーバーを建ててみますよ。

Misskeyのインスタンスを建てた話。①(Misskey紹介編)
Misskeyのインスタンスを建てた話。②(GCPでの建ち上げ編)

といっても建て方は同じMisskeyなので、GCPと同じです。

ではなんでこんな記事を?というところなのですが、OCIは。。。その難しいというかなんというか。


多分、無理なんです。情報なしでは。

ということで今回僕が通った道をご紹介させていただきます。

まず、なんでOCI?という話なのですが、

OCIにもGCPと同じコンピューティングインスタンスのAlwaysFree枠がありまして、


圧倒的にOCIの方が優秀なんです。

OCIはAlwaysFreeではAMDとARMのどちらかのインスタンスを利用できます。

ARMインスタンスがその中でもぶっちぎりで性能が高いということで

OCIのARMインスタンスがAlwaysFreeに加わったときは界隈に衝撃が走りました
※因みに今日本含む極東のリージョンでは、某国がVPNで使いまくるせいでARMインスタンスがほぼ取れません

比較するとこれくらいの差があります。
OCI(AMD) OCI(ARM) GCP(Intel Xeon)
CPU 1個(性能1/8制限) 4個 2個(性能25%制限)
メモリ 1GB 24GB 1GB
ストレージ 200GB 200GB 30GB
ベンチマーク(シングルコア) 410 1871 131
ベンチマーク(マルチコア) 533 3801 190
リージョン 全地域 全地域 北米のみ
利用可能数 2台 1~4台 1台
※OCIのストレージはAMDマシン2台とARMマシン合わせて200GBまで、2ブロックまで無料なので3台利用は不可
※ベンチマークはUnixBenchより

CPUの個数は(個々の仕様が不明なので)性能には特に関係ありませんが、

OCIのARMはGCPと異なり、AlwaysFreeの枠内でリソースの分割が可能でして、

1CPU=1マシンとすればARMの場合は最大4台までAlwaysFreeで利用可能です。


・・・で、見ればわかると思うですが、

衝撃が走っていない方のAMDインスタンスですら、GCPよりつよつよです。それも圧倒的に。

そんなものが2台も使えるのです。無料で。

しかもリージョンがOCIは全地域の中から無料で使いたいリージョンを自由に1カ所選ぶことができるので

日本だと東京、大阪を選ぶことができます。これは8800㎞離れたオレゴンが最短のGCPとは雲泥ですね。
※2度目ですが、今日本含む極東のリージョンでは、某国がVPNで使いまくるせいでARMインスタンスがほぼ取れません

しかも、GCPって何かと理由を付けて謎課金を作ることで有名です。勝手にマルチリージョンでキャッシュ作ったりとかなとかかんとか

なんだかんだGCPでずっとマシンを動かしてると、AlwaysFreeでも課金が大なり小なり発生するものです。

でもOCIにはそれがない。

料金プランが単純明快なので、GCPのように課金レポートとにらめっこしながら

謎課金の原因を探す日々から解放されるのです。




・・・ここまで性能が違えば、

これはOCIに行くっきゃない!!!


ってなるはずなのですが、現実はそうなっていません。OCIのARMがデビューしてからもう2年近くが経ちますが、

未だにコンピューティングの無料インスタンスと言えばGCP一強です。


なんでそんなことになっているのかというと、まぁ広報の問題もあるんでしょうが、単純に

OCIは初見殺しゲーなんです。

※何度も言いますが、今日本含む極東のリージョンでは、某国がVPNで使いまくるせいでARMインスタンスがほぼ取れません


それを今から解説します。

まず、OCIにはFree trialアカウントと有料アカウントの2種類のアカウントがあります。

で、個人の場合、いきなり有料アカウントにはなれなくて、まずトライアルアカウントを作成する必要があります。


そしてそのアカウント登録ページがこちらです。
検索で出てこないのでまずここに辿り着けない人が多いらしい。。。?

で、まず2FAがあるのでメールアドレスを登録してメールを待つのですが、、、

①メールが届かない

これが結構ありがちだそうです。現在、OCIの登録ではSMS認証は廃止になったので一律メールなのですが、

これが届かないケースが結構あるそうです。

OCI公式からは「一度登録に使ったメールアドレスは使えない」という趣旨の発表がありましたが、

未使用でも普通に弾かれるという報告がネット上では相次いでおります。

ただ、どうにもその多くが独自ドメインからのメールのようで、

GmailやYahooメールなどのフリーメールを試されることをお勧めします。
※僕はGmailで一発で行ったのでこの現象に出くわしておりません。


またこれとは別に、これ以降の工程で引っかかると、メール受取からやり直しになるのですが、

「数回メールの受信をすると同一IPからは45分間はメールを受け取れなくなる」のだそうです。
※OracleCloud LiveAgent回答より。多分日本語情報だとらじぷろにしか書いてない情報です。


なので何回か先の工程で引っかかるとメールの送信制限に捕まります。
僕はこれに捕まりました。


そして次にOCIでは本人確認としてアカウント作成時にクレジットカードの与信請求を行うようになっておりまして、

Free trialアカウントでもクレカの登録が必須です。ここはGCPと同じですね

ただ、GCPと違うのはFree trialアカウントのうちは

「何をやっても課金が発生しない」というとことでしょうか。

そういう意味ではGCPより安心して使えます。


ただ、そのクレカ登録で大きな問題がありまして


②クレカの検証で弾かれる

実はこれも僕はスルーしたのですが、多くの人が(体感8割)がここで弾かれて登録を諦めております。

これについては、公式からの発表として

(a) プリペイドカードを登録している。
(b) 意図的に、または意図せずにユーザーの所在地またはアイデンティティを隠蔽した。
(c) 不完全または不正確なアカウント詳細を入力した。

このどれかに引っかかると弾かれる、とあるのですが、

どれにも引っかからずとも弾かれた例が数多く報告されております。


これが一番業が深いようで、インターネット上で様々な検証がされておりまして、

・住所は関係ない
・デビットカードはダメ
・クレカの発行会社が関係している

など、色々な議論が展開されております。

これらについて、ひとつずつらじぷろの見解を述べさせていただきます。


有識者の立場から言わせてもらえば、まぁ「住所が関係ない」は事実ですね。

クレカの与信請求において住所情報を照合する手段は存在しない(そもそも住所照合は技術自体が困難)ので、

世界中から登録が行われる国際サービスの、それもたかがFree Tialの登録段階において

わざわざ特別な手段を別途作成してまでそんなことをしている可能性はゼロと考えて良いでしょう。

因みに英語じゃないとダメなんて話はありますが、自分は住所は日本語表記で通っています。
OCIは日本法人あるし日本語でええやろの精神です。



「デビットカードがダメ」も多分正しくて、クレカの与信処理的にこれは弾かれてる可能性が高いです。

確認はしておりませんが、プリペイド系も恐らくアウトだと思います。


で、最後にクレカの発行会社が関係しているも、概ね間違いではないと思います。

というのはこの手の与信請求は「カード会社側で弾かれている可能性が存在する」からです。

特に日本の会社はそれをやる傾向が強いです。あくまで「傾向」の話ですが。

これに関してはOCIではどうすることもできないので、カード会社に電話で確認するのが一番です。

あとは最悪「カードを変えるか」ですね。私はエポスで一発で行きました。




②の結論としては、

「狭義クレカをちゃんと使ってダメなら与信が通っているか会社に確認入れるかカードを変える」

これでいいと思います。まぁ要するにネットの不確定な情報も案外的を得ているな、という感想です。




で、最大の難所がそこまでクリアした上で一番最後に「無料トライアルの開始」を押した時に発生する

③トランザクションエラー

です。
※与信請求時のトランザクションエラーとは別のモノです


これに関しては、解決策がわかりません。

原因も一切不明。完全にお手上げです。


じゃあどうしたかというと、

OracleCloudのCloud Support Chatから

Live Agentを呼び出してもらって解決してもらいました。※全部英語



いや、マジでこれ以外に書きようがないんです。

与信請求も通ってるのにトランサクションエラーとか言うのが出て先に進めないんです、

って英語で問い合わせたら

「ちょっと待ってね」って言われて5分ぐらいしてから

「対応したのでもっぺん同じ情報入れて最初からやってくれ」って言われてやったらできたんです。


つまり、与信を通した後でも、あちら側の理由で何故か申請が弾かれるような何かがあって

「それは問い合わせたら解決する」というのが最終的な僕の答えでした。

そもそも、初見で恐らくこのサポートチャットを見つけてから人間を召喚するのは

難易度ルナティックにも程があります。どういう経緯で見つけたのかは未だに思い出せません。


ここまでの手順が書かれている日本語情報源は、恐らく世界でここだけだと思います。
いや、手順か?これ・・・?

②の与信請求については結構描いてあるサイトが多いのですが、①と③についてはほぼ書かれてませんでした。



あと、因みになのですが、OCIはログインも謎です。
ログイン画面で最初に出てくるところに入れるのが、「Cloud Account Name」。
登録時に入れたアカウント名前です。
次に遷移した画面で出てくるところに入れるのは「ユーザー名」とありますが、

入力するのは登録時のメールアドレスです。


この他にもOCIにはテナントネームと言う名前もあり、各所で要求される情報が異なります。


また、テクニカルサポートを受けるには別途Oracleのサポートアカウントを作成してOCIアカウントを紐づけて・・・

みたいなことをする必要があり、正直訳が分かりません。

この辺も全部先ほどのLiveAgentに英語で問い合わせて確認しました。


エージェントとのチャットはメールと違ってリアルタイムで飛んでくるので、

スピーディな返信をしないと勝手にチャットを打ち切られてしまうことから

Google先生に頼らずに英語である程度の技術文章をサクサク書いてサクサク読めないと

多分OCIは無理です。


正直罠だらけなので、誰もお勧めしないのでしょう。書いておいてなんですが、僕もあまりお勧めはしておりません。
※しつこいようですが、今日本含む極東のリージョン、では某国がVPNで使いまくるせいでARMインスタンスがほぼ取れません

。。。というか「勧めた以上発生する責任」に対処することができないから、と言うべきでしょうか。

あと、GCPみたいにコンソールを複数タブ開いて操作するとほぼ100%UIが壊れます。

GCPだと常に支払いを別タブで監視ながら操作するのが一般的ですが、

OCIは複数タブで同じことやると簡単に逝くので課金監視はアプリで別途やりましょう。



・・・とまぁこの通り、全体的にユーザビリティが地平線の彼方に飛んで行ってしまっているわけです。

但し、一度使えるようになってしまえば安いし強いので、心身(特に理不尽に挫けない心)に余裕がある際には

試してみるのもいいのではないでしょうか。


ちなみに私は奇跡的に、

2023年7月に、
東京リージョンで
ARMインスタンスの取得に


成功しました!!!


現在弊Misskeyインスタンスは、この奇跡のARMインスタンス上に乗っています。


それは今日はこの辺で。盛大に長い前フリを決めた上でのただの自慢話でした。


(^・ω・)ノ RadiumProduction at curonet
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